SAKURA 2009 3
幼児部では,食の大切さを伝えようと,食育とクッキングを行っています。さくら組でも4月から,吉田隆子作の「げんきをつくる食育えほん」をもとに,食べ物を赤,黄,緑,白に分類し,バランスの良い食事について考えてきました。1月のテーマは「しろきっず」。「おいしい味のお手伝い」をする調味料がしろきっずの仲間であることを知った後,その中であまり馴染みのなかった「だし」を実際に昆布とかつおぶしで作りました。日本食を食べる家庭が多いので,味としてだしを知っていた子がほとんどでしたが,「だしはおいしいから『旨い』って言うんだね。」と味を表現する言葉を体感することができたようです。翌日のクッキングでは,作っただしで澄まし汁をつくりました。手作りの寿司酢を混ぜて海苔巻きも作り,日本のおいしい味付けを堪能した子どもたちでした。
大雪に見舞われた今年の冬。お蔭様で子どもたちはたっぷりと雪遊びを楽しむことができました。手袋,帽子,そしてスノーパンツにブーツと完全装備で雪の中に飛び込んでいきます。子どもたちの膝丈まで積もった時には,雪の上を歩くだけでも楽しい遊びになっていました。ある日,グランドに出てみると小学生が作った大きな雪の玉がたくさんありました。小学生に感謝しつつ,その大きな玉を移動させる遊びが始まりました。「動かないよ。手伝って。」「今行くね!」などと友だちの助けを求めながら,数人がかりで雪玉を転がす姿はとてもかわいらしいものでした。友だちと一緒に遊ぶことが楽しくなってきたさくら組さん。周りの環境をふんだんに使い,アイディアを出しながら遊びを発展させていくようになってきました。
暦上は春になりましたが,雪も残る3月のある日。一足先に小さなコップの中にフラワーアレンジメントで春の庭を作りました。チューリップや水仙など春の生花を使い,子どもたちの感性で自由に生けていきました。子どもたちに伝えたルールは2つ,茎の太いものからさすということ,そして最後に生ける葉は花を隠さないようにするということです。ひよことうさぎの飾りもさして完成した作品には,個性豊かな春の庭が広がっていました。大切そうに花を抱きかかえて降園していく子どもたち,花を見つめながら自然と笑顔になっていました。この自然を愛で,慈しむ素直な気持ちをこれからも大切にし,友だち同士で切磋琢磨しながらのびのびと育っていくことを願っています。