ニューヨーク育英学園全日制幼児部では、特設クラス『ゆり組』を設けています。対象は、全日制幼児部(年少～年長)各クラスのウェイティングの方です。ゆり組には、現在7名の子ども達が在籍しており、毎日元気いっぱい園生活を楽しんでいます。幼児部では、7つの専科を取り入れており、音楽活動、運動活動、絵画・造形活動、また英語など、子ども達が様々な分野に触れ、感性を磨ける機会となっています。英語専科では、学園のネイティブ教師による指導が行われ、子ども達が生きた英語を聞きながら活動しています。ある英語の時間、ネイティブ教師がジャケットやニット帽、手袋など、防寒具を机に並べました。この日は冬に使う物の名前を知るカリキュラム。｢寒いから、先生にあったかくなる物を見つけてきてね｣という教師の言葉に、興味深々に探しにいく子ども達の表情が印象的でした。

本学園全日制は幼児部と小学部から成り、幼小一貫教育を行っています。10月のある日、ゆり組の子ども達は小学部4年生と一緒に幼小交流遠足へ出かけました。行き先はFlat Rock Brook Nature Center。学園からスクールバスでわずか10分の場所にある広大な森です。この日は空気が澄みお天気に恵まれ、到着した子ども達に森から爽やかな風が届きました。森には小川が流れ、池に蛙が泳ぎ、木々や土には無数の虫がいます。その中を子ども達は、小学生に手を引かれながら、目をキョロキョロさせて興味深々に歩きました。途中、小学生が｢あ！ほら見てごらん。あそこに動物がいるよ｣と優しく教えてくれると、まるで宝物を見つけたかのように嬉しそうに振り向くゆり組の子ども達。その目には、隣の小学生さんがとても大きい存在に映っていたようです。このように幼小一貫教育の特性を生かして、今後も両学部の交流を深めながら、年上を敬い、年下に優しくする心を育んでいきたと思います。

12月のクッキングメニューはクリームシチュー。エプロンと三角巾を身につけ、いざ料理開始です。まずは野菜をナイフで切る作業から。でもその前に、先生からクイズが出されました。｢これは何でしょう｣と出されたものは、茶色くてゴツゴツしているもの。一瞬考え、答えがすぐに返ってきました。｢じゃが芋！｣。シチューに入っているじゃが芋です。しかしシチューに入っている時と何かが違う。それは、土や皮が付いているからです。｢じゃが芋は、お料理する前から綺麗な色ではないんだよ。お料理してくれている人が、土を落として皮を向いて、切る。そうしてみんなが知っている美味しいじゃが芋になっていくんだよ｣と教わると、｢え？土の中から出てきたの？｣とじゃが芋を見つめる子ども達がいました。それぞれの野菜がどんなところで育ったのか、料理にどんな材料が使われているのかを知ったこの日の子ども達の食欲は、保育士が驚くほどのものとなりました。