
11月22日、ニューヨーク育英インターナショナルスクール全日制(ニュージャージー州イングルウッドクリフス)にて毎年恒例の学園祭が開催された。
1980年の創立当初から続くこのイベントは、子どもたちが日々の生活や学習で培った力を披露する、同校にとって特別な舞台だ。今年は幼児部年少から小学6年生までが参加し、日本語劇・英語劇、管楽器や打楽器の合奏、コーラスなど多彩な演目で観客を魅了した。
NY育英学園が学園祭を重視する理由は、「表現する力」を育てる学びの延長線上にあるからだ。
同校では、グローバルな人材を育てるという理念のもと、①自分の気持ちや考えを言語化する ② 相手の話をきちんと聞く ③話し合って協働して形にする というプロセスを重視しており、学園祭はその成果を最も実感できる機会だ。単に台本通りに役を演じるのではなく、「自分のことば」として語ることを大切にしているのが特徴で、作品の中には子どもたち自身の経験や感情が自然と息づく。
練習期間、子どもたちは映像を見ながらお互いの演技を改善し、活発にアイデアを出し合う。
「見せ合い会」では他学年の作品を鑑賞し合い、良かった点や気づいた点を共有することで完成度を高めていく。
たとえば小学3年生による「オズの魔法使い」では、息の合ったダンスが印象的だったが、担任の伊賀教諭はこう語る。「ダンスの内容は、すべて子どもたち自身が話し合って作り上げたものなんです。だから“振り付けをしている”というより、体を使って表現するダンスとして舞台にしっかり現れていたと思います」その言葉どおり、子ども同士の対話と協働が、舞台の躍動感を生み出していた。

また、完成度の高い歌唱やダンスで好評を博した6年生の「あの日へ」は、脚本づくりの段階から子どもたちが関わった日本語劇だ。未来から戻ってきたクラスメートが、現在の自分たちのあり方と向き合う物語で、「今をどう生きるか」というテーマのもとに展開していく。笑いあり、神妙なシーンあり、一つひとつのセリフに心を込める子どもたちの姿は、観客の心に深く響いた。 担任の熊井教諭は、「見る人それぞれが解釈をもてる作品になりました。子どもたち自身が日々感じている思いや迷い、そのままの“リアルな声”が演技に反映されたのだと思います」と語る。子どもたちの内面から生まれた表現が、劇全体に確かな厚みを与えていた。

さらに英語劇では、アメリカから来たばかり子も英語が得意な子もすべての児童が同じように役を務め「The Lorax」の劇をこなした。
同学園は、すべての子どもが英語、日本語両方で発表をしているのが特徴だ。 こうした活動は、同校の卒業生が高い国語力・英語力を備えている理由の一つでもある。自ら考え、言葉にし、仲間と協働する経験が、豊かな言語力と、ひいてはグローバル人材を育む基盤となっている。