ー 育英サタデースクールマンハッタン校 ー
2026年1月17日、育英サタデースクールマンハッタン校にて、新年最初の伝統行事である書き初めが行われ、小学1年生から中学3年生までの児童生徒が参加した。墨の香りが静かに広がる厳かな空間の中で、背筋を伸ばし正座をしてそれぞれが筆を手に、自分の心と向き合う時間を過ごした。
当校では、海外という環境を生かし、日本文化を「日本と同じ形で再現する」ことよりも、「なぜその文化が大切にされてきたのか」を考える学びを重視している。書き初めも、字を上手に書くことが目的ではなく、日本人が長い時間をかけて培ってきた、季節の習わし、気持ちを整える所作、そして一つのことに向き合う姿勢を体験的に学ぶ機会として位置づけられている。

筆を持つ前には、姿勢を正し、先生に挨拶をしてから静かに準備を整える。普段の授業とは少し違う一連の流れに、低学年の子ども達は自然と背筋を伸ばし、中学生は自然と場の空気を読み取りながら行動していた。
指導にあたった書道家の神谷房子講師は、「丁寧に書くというのは、ゆっくり書くことではありません。その一瞬に気持ちを向けられているかどうかが大切です」と語った。海外で育つ子ども達にとって、日本文化に流れる『静けさ』や『間』を、説明ではなく体感として受け取ることは、貴重な学びとなっている。
書いている最中、子どもたちが慣れない筆のあつかいに戸惑う様子も見られたが、次第にそれぞれが自分なりのペースをつかみ、紙と向き合っていった。
「もち」、「こま」などの各学年に与えられた課題を書き終えた後、感想を尋ねると、「足が痛かった」「書き直しができないから緊張した」「思ったよりきれいに書けたよ」等の声が聞かれた。普段慣れない正座での活動や、書き直しがきかないという緊張感のある環境が、子どもなちにとって新鮮な体験となったようだ。

ニューヨークという多様性の象徴ともいえる場所に校舎を構える育英サタデースクールマンハッタン校では、日本文化を“特別なもの”として切り離すのではなく、自分自身の学びや生き方と結びつけて捉える教育が行われている。書き初めは、新しい一年の始まりに、自分と向き合い、文化の意味を考える静かな出発点となった。