9月13日、育英サタデースクールマンハッタン校(週末日本語補習校)では、夏休みに自宅で取り組んだ研究を発表する「自由研究発表会」が行われた。小学生の部には4年生から6年生まで、中学生の部には1年生から3年生までが参加した。 この行事は、育英サタデースクールマンハッタン校の中でも特に特色ある取り組みのひとつで、子どもたちが自ら興味をもった分野を深め、その成果を仲間の前で共有する貴重な機会となっている。
育英サタデースクールの子どもたちは、平日はアメリカ現地校、土曜日は日本語補習校と、二つの文化を行き来しながら生活している。アメリカに来て間もない子どもにとっては、日本語で自信をもって発表できる大切な場となり、在米歴が長い子どもにとっては、慣れない日本語での発表に挑戦する機会となる。
立場や背景は異なっても、自由研究発表会は、興味のあるテーマを表現できる共通の舞台となっている。
今年は、小学6年生による「ピクトグラム」をテーマにした研究が大きな注目を集めた。温泉マークが時代とともにどのように変化してきたのか、世界各国の男女トイレのマークにはどのような違いがあるのかなどを、豊富な資料とともにわかりやすく紹介した。
見慣れているはずのマークが国や文化によってまったく異なることに、会場の子どもたちは驚きや発見を共有しながら、楽しそうに耳を傾けていた。 文化や価値観の違いを言葉にし、相対的に捉えるという、育英サタデースクールが大切にしている学びが、自然と発表や話し合いの中に表れていたのが印象的だった。
また、中学1年生による「出雲大社と八百万の神々」をテーマにした研究では、家族旅行で撮影した写真を用いながら、日本神話の世界を丁寧に解説した。日本独特の神様の考え方について、「日本って神様がたくさんいるんだね」「外国の宗教とどう違うの?」といった素朴で鋭い質問が飛び交った。海外というインターナショナルな環境で育つ子どもたちだからこそ、日本文化を改めて見つめ直し、世界との違いを意識しながら語る発表となっていた。
本学園では、夏休みの自由研究を「調べて終わり」にせず、必ず発表の場を設けている。発表することで、研究の奥深さがより引き立ち、自分では気づかなかった視点や新たな発見につながるからだ。自分の興味を日本語で表現し、仲間と共有し、共感を得る経験は、子どもたちの帰属意識を育み、大きな自信へとつながる。その積み重ねこそが、世界の広さを理解し、グローバルな視点をもって未来へ羽ばたくための確かな力となっていくのだろう。