育英サタデースクール・ポートワシントン校では、教科書での学習にとどまらず、本物に触れる体験を通して、子どもたちの感性や思考を広げる学びを大切にしている。ニューヨークという環境を生かし、第一線で活躍する専門家から直接学ぶ機会を設けることも、本校の特色の一つである。
6月21日、中高等部の生徒を対象に、世界的に活躍する指揮者・伊藤玲阿奈氏を迎えて、特別音楽課題授業が行われた。
伊藤氏は、「ベートーヴェンは聴覚を失いながら、なぜ『歓喜の歌』を作曲したのでしょうか」と問いを投げかけ、子どもたちに考える時間を与えた。児童たちは真剣な表情で思いを巡らせ、「自分が聞こえなくなっても、周りの人を幸せにしたいと考えたからではないか」という説明を聞き、音楽に込められた思いや、人の気持ちに寄り添うことの大切さを感じ取っている様子だった。
続いて、生徒のうち4名が実際にバイオリンを演奏し、伊藤氏から指導を受けた。「いつもは楽譜を見ながら、より良い音を出すこと、強弱やテンポなど、演奏者としてパフォーマンスを考えるが、指揮者からリードされることで、いつもと違う間の取り方や強弱の付け方があることを知りいい勉強になった」と体験を語った。ニューヨークならではの、世界一流の音楽に直接触れる貴重な時間となった。
午後から開催された「夏の集い」では、伊藤氏の指揮のもと、4名のバイオリン生徒は全校生徒の前で「ふるさと」を演奏し、小学生が合唱するというコラボが実現した。世界的指揮者である伊藤氏の温かく気さくな語り口に、わかりやすい説明に子どもたちもは笑顔や笑い声が絶えず、音楽が一層身近な存在として感じられるひとときとなった。子どもたちにとって、音を聴くだけでなく、考え、感じ、言葉にしながら学ぶ、心に残る経験となった。
今後も育英サタデースクール・ポートワシントン校では、音楽に限らず、あらゆる教科において一流に触れ、深く学ぶことを通して、表現する力や感性、そして人の思いに寄り添う心を育み、子どもたちの豊かな心の成長を支えていく。ニューヨークという恵まれた環境の中で、ここでしか得られない経験の機会を大切にしながら、学びをさらに広げていく。