閉じる
サタデーNJ校

海外で深める日本文化への理解

育英サタデースクール・ニュージャージー校のお花見昼食会

ニューヨーク近郊に校舎を構える育英サタデースクール・ニュージャージー校では、週1回という限られた授業時間の中でも、机上の学習にとどまらない学びを大切にしている。さまざまな体験を通して、海外にいるからこそ気づける視点から日本文化に触れ、理解を深めることができる行事を積極的に取り入れている。

4月26日には、桜の木がある園庭を活用し、毎年恒例となっているお花見昼食会が開催された。この日はあいにくの雨模様となったが、当日は小学部の全児童が集まり、桜を背景に記念撮影を行ったあと、教室にレジャーシートが広げての昼食会となった。

窓いっぱいに広がる桜を眺めながら、低学年から高学年までが一緒に昼食を楽しむ時間は、普段の学年別の授業とは異なる交流の場となった。「レジャーシート広げてお花見って、外国ではあまりみないね」「お花見するのって日本人だけなの?」と日本と海外の違いに目を向けた会話が自然と生まれていた。

食後には、高学年の児童が低学年のレジャーシートをたたむのを手伝ったり、年下の子どもたちに声をかけたりする姿も見られた。学年の枠を越えて育まれるこうした思いやりは、同校が大切にしている「縦のつながり」を感じさせる場面でもあった。

同校では、日本の学校文化をそのまま持ち込むだけでなく、ニューヨークという多文化環境の中だからこそ生まれる学びのかたちを大切にしている。

また、同校では、こうした行事を単なる一日のイベントとして終わらせるのではなく、日々の学びへと丁寧につなげている点も大きな特色だ。週1回という限られた登校日の中で、継続的な体験学習を行うことは決して容易ではないが、自前の校舎と園庭を有する同校だからこそ、時間をかけた学びが可能となっている。

生活科の授業では、園庭に植えられた桜の木を題材に、季節の移ろいを観察する活動が行われている。春には桜の木をじっくりとスケッチし、花の色や形、枝ぶりの違いに目を向けながら、自然を観察する力を養う。また、桜のつぼみを一つひとつ丁寧に摘み取り、塩漬けにする作業にも取り組む。こうして仕込んだ桜は、翌年のお正月に桜茶として味わい、季節の循環や時間の流れを実感する学びへとつながっていく。

こうした「一年越し」の体験は、子どもたちにとって特別な意味を持つ。桜が咲く春だけでなく、つぼみの時期、仕込みの工程、そして新年に味わう瞬間までを見通した学びは、日本の学校文化が大切にしてきた四季との向き合い方を、自然な形で子どもたちの心に刻んでいる。

自前の校舎と園庭という恵まれた環境を生かし、限られた時間の中でも継続性のある体験を積み重ねていくこと。それは、海外にありながらも日本の学校らしい学びを大切にする、育英サタデースクール・ニュージャージー校ならではの教育の姿といえるだろう。