広島県生まれ。幼少期はアメリカ西海岸地域で過ごす。中・高はバレーボール部に所属し東京都選抜として活躍。浪人中にダブルダッチに出会い、急遽日体大に進路を変更。日本体育大学体育学部卒業。在籍中にダブルダッチで世界一となる。
卒業後、渡米しニューヨーク育英学園にて勤務。現在はフレンズアカデミーディレクターおよびダブルダッチ指導担当として勤務。
<学園での担当>
・フレンズアカデミーディレクター・事務部長・メンテナンス
・サマースクール総合ディレクター
・サタデースクールNJ校小学部部長
・幼児体育・中学部社会科・アフタークラブ(器械体操・縄跳び・ダブルダッチ・スキー)
私がこれまでの職歴や経験の中で特に現在の教育活動に大きく役立っているのは、「ダブルダッチ」との出会いとその競技経験です。
浪人生活を送っていた頃、偶然ダブルダッチの動画に出会い、直感的に「これだ!」と強く惹かれました。その衝動のまま大学を急遽調べ、願書を提出し、無事入学を果たしました。
大学では、縄の回し方やジャンプのタイミングなど地道で基礎的な練習を繰り返しました。そこから私は基本を大切にする重要性を学びました。この考え方は、現在の仕事においても基盤となっています。また、ダブルダッチは運動能力だけでなく、記憶力や創造性、柔軟性や協調性を必要とする、非常に知的なスポーツでもありました。
初めての競技への挑戦は地区予選でしたが、結果は思うようにいかず挫折を経験しました。この経験から、他のチームと差をつけるには練習量や効率だけでは足りないと気付き、パフォーマンスの見せ方を独学で研究しました。ディズニーやミュージカルショーを参考にしながら観客の視線や呼吸のタイミングを学び、それをダブルダッチに応用しました。この工夫が功を奏し、全国大会、さらには世界大会への出場権を獲得しました。過酷な練習生活でしたが、好きなことにはとことん取り組む性格のおかげで、苦しい練習さえも楽しめました。仲間とともに妥協せず努力を重ね、目標としていた世界大会に出場できました。
世界大会では、異文化や異なる戦略を持つ世界中の選手たちと競い合う中、「楽しむこと」を忘れずチームメイトとの協調性を最大限に発揮した結果、世界一になることができました。この経験から、目標達成に向けて全力を尽くすことと、その過程を楽しむことの大切さを学びました。
また、世界に目を向けることで視野が大きく広がりました。大学4年生の時には、オーストラリアのメルボルンで1ヶ月間バスキング(ストリートパフォーマンス)に挑戦しました。英語も文化も違う土地で生活した経験は、私に大きな影響を与えました。
投げ銭文化のある現地には世界中から多くのパフォーマーが集まり、お客さんから評価を得て稼ぐことは決して簡単ではありませんでした。現地の人々のニーズを理解し、パフォーマンスの内容や頻度のバランスを取ることに苦労しました。また、チャンスとは偶然訪れるのではなく、努力や必然が積み重なった先に現れることを実感しました。
後半になるとパフォーマンスも軌道に乗り、新たに来たパフォーマーへのコーチングも経験しました。その中で、自分自身がコーチングを楽しんでいることに気付きました。
ダブルダッチを通じて培ったこのコーチングスキルは、現在の教育現場で非常に役立っています。生徒一人ひとりの個性や可能性を引き出し、目標達成に向けて共に努力する指導法を実践しています。また、口に出して目標を明確にすることを指導し、具体的な行動へとつなげています。
人生は選択の連続であり、どのような選択も後悔しないよう徹底的に向き合う姿勢を、生徒たちにも伝えています。ダブルダッチとの出会いを通じて身に付けた行動力、努力の重要性、そして何よりも「今を楽しむ」姿勢を教育活動の基盤として、これからも活動を続けていきたいと思っています。
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![]() 1ヶ月ストリートパフォーマーとして生活 |
子どもの頃から、私にはたくさんの夢がありました。
小学生の頃は体育の先生になりたいと思っていました。
中学生になると建築家を目指し、地震に強い家を作りたいと考えていました。
高校生の頃は歯科医師になり、何度でも生えてくる歯の研究をしたいという夢を持ちました。
大学生になるとダブルダッチのプロとして世界で活躍したいという夢がありました。
成長するにつれて、社会の現実やさまざまな可能性を知ることで、私の夢も変化していきました。子どもたちが色々な世界を知ることで、夢の可能性を広げていけると考えています。
現在、私は運動の先生や大好きなダブルダッチに関わる仕事ができており、ある意味で夢を叶えることができたと思っています。
運動において
アメリカで生活する日本人の子どもたちは、日本国内で年々低下傾向にある日本人の子どもと比べても、運動能力が低い傾向にあります。原因としては、アメリカでの車中心の生活環境によって日常的に歩く機会が少ないことや、現地校における体育の内容が挙げられると考えています。
実際に現地校の体育と日本の体育を比較すると、内容も質も日本の方が圧倒的に優れていると私は感じています。具体的には、跳び箱を跳べない、鉄棒ができない、縄跳びを跳べない子どもが多く、また水泳に対する価値観の違いから、泳げない子どもも多く見られます。
運動能力の発達は、幼児期から中学生までの期間にどれだけ運動したかで、生涯の運動能力が決まります。例えば子どもの頃に自転車に乗れるようになれば、大人になって何十年経っても容易に乗ることができますが、大人になってから初めて自転車に挑戦することは困難を伴います。そのため、私の役割として、子どもたちが日本に帰国した際にも困らないよう、運動能力を補完することが重要だと感じており、これまで培ってきた私自身の経験や専門性を十分に発揮できる分野だと考えています。
サマースクールについて
私はニューヨーク育英学園でのサマースクール運営にも携わっています。
子どもたちの夏休みの過ごし方は、日本への一時帰国や旅行、サマースクールへの参加など、多種多様です。その中でも、ニューヨーク育英学園のサマースクールは「日本よりも日本らしい体験」と、「アメリカならではのスケールの大きな活動」を融合させていることが大きな魅力です。私自身も「流しそうめん」は、ここアメリカで初めて体験しました。
毎日がイベントであるサマースクールは、準備に大変な労力を要しますが、先生方はその準備期間さえも楽しんでいるように感じます。子どもたちの記憶に残る素晴らしい体験を提供することを目指し、日々努力を重ねています。
「笠間先生は理系ですか?文系ですか?」とよく質問されますが、私はいつも「体育会系」と答えています。
私が通った「体育会系」の大学では、学問以上に、規律や社会性を多く学びました。
学校とは単に勉強だけをする場所ではなく、社会性や人間性を育む唯一の場所だと考えています。
そのため、私がクラスを担当するときは、「メリハリ」「主体性」「楽しさ」を特に大切にしています。
メリハリのあるクラス環境をつくることで、生徒自身が「自分で取り組もう」「自分で考えよう」という主体性を育むきっかけになります。そして、主体性を持って授業に参加できるようになると、自然と学ぶ楽しさを感じるようになります。
この主体性や楽しさが、勉強や運動などにおいて生徒自身が自分の「やる気スイッチ」を押す原動力になります。実は、このやる気スイッチを押せるのは、先生でも保護者でもありません。押すことができるのは、本人だけです。
私の持論ですが、教師の役割とは、生徒が自らそのスイッチを押せるよう支援することだと思っています。つまり、スイッチを大きくしてあげたり、スイッチに手が届きやすく導いたり、スイッチを押したくてたまらない環境をつくったりすることです。これこそが、私が考える教育者としての真の力量だと思っています。
子どもたちは誰もが無限の可能性を秘めています。その可能性を引き出す鍵は、子ども自身が「自分でやりたい」「挑戦したい」と感じる心にあります。
教育において最も大切なことは、子どもたち自身が主体的に学び、夢や目標に向かって努力する喜びを感じられる環境をつくることです。運動や勉強において「できるようになった」という喜びは、子どもの自己肯定感を育て、その先の人生においても大きな自信となります。
現在、子どもたちの運動機会の減少が社会問題となっています。特にアメリカで生活する子どもたちは、日本の子どもと比べて運動する環境が少なくなりがちです。しかし、子ども時代の運動経験は一生の財産となります。幼少期に身体を動かす楽しさや達成感を知ることは、運動能力だけでなく、協調性や創造性、挑戦する意欲など、人間としての幅広い能力を育むためにとても重要です。
また、多様な経験を通して子どもの視野を広げることも重要です。新しいことへのチャレンジや、異なる文化に触れる経験は、子どもたちの夢や目標をさらに広げ、豊かな人間性を育みます。ニューヨークという多様な文化が集まる場所だからこそ、私たちは子どもたちにさまざまな体験を提供する責任があると思っています。
教育とは、単に知識を詰め込むことではなく、子どもたちが自分自身で未来を切り開いていく力を育むことです。子ども一人ひとりの個性を尊重し、主体性を引き出すことが私たち教育者の役割だと思っています。
子どもたちの可能性を信じ、未来を自分の手で創っていく喜びを、一緒に支えていきましょう
![]() 子供たちが賞を総なめした時 |
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・元日本記録保持者
・Double Dutch Contest Belgium 優勝
・Double Dutch Contest World 優勝
・American Double Dutch League 総合優勝
・Double Dutch Delight Japan 優勝
・Double Dutch Japan Open 優勝
・National Double Dutch League Holiday Classic 準優勝
<ゲストパフォーマンス>
・G-shock六本木イベントゲストショー
・武道館にて、教育関係イベントでのゲストパフォーマンス
・Skrillex Countdown Event @MSG (バックパフォーマー)
・その他多数etc…
<テレビメディア出演>
・めざましテレビ特集
・ぴったんこかんかん
・サンデースポーツ
・その他etc…
<ストリートパフォーマンス生活>
・大学在籍中オーストラリアメルボルンにて1ヶ月ストリートパフォーマーとして生活。
<ダブルダッチ審判員>
・ADDL Official Judge
・USA Jump Rope Official Judge
・NDDL Official Judge
・NDDL Summer Camp 特別講師
<指導者としての実績>
・American Double Dutch League 優勝【2年以内】
・National Double Dutch League Holiday Classic 優勝【3年以内】
・USA Jump Rope 短縄部門 優勝【3年以内】
・USA Jump Rope ダブルダッチ部門 優勝【2年以内】
・元児童帰国者⇨東大ダブルダッチに所属⇨日本一
■NY育英学園ダブルダッチチームのHPはこちら
■お問い合わせはこちら、doubledutch.nyikuei@gmail.com