書道と華道
二つの「道」で味わう芸術の秋
インター小学部 1〜6年生の秋の特別活動


読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋。そして、芸術の秋。
日本には、書道・華道・茶道など、「道」のつく伝統文化が数多くあります。技を磨くだけでなく、ものごとと向き合う心の在り方まで大切にする。それが「道」の世界です。
インター小学部では、毎年春と秋に特別活動を行っています。今年の春は、ヒップホップダンスと将棋に挑戦しました。ニューヨーク発祥のストリートカルチャーと、日本で受け継がれてきた頭脳の文化。まったく異なる二つの世界に、子どもたちは全身で飛び込みました。
そして9月22日・23日、1〜6年生を対象に秋の特別活動を行いました。テーマは書道と華道。二つの「道」を通して、芸術の秋を味わいました。
1日目 書道9月22日(火)
1日目は書道。書道家の井上理白先生をお招きしました。ニューヨークと日本を拠点に、伝統の筆技とプロジェクションマッピングやVRなどを融合させた「3D Calligraphy」で、書を空間芸術へと広げている書道家です。
今回の書道のテーマは「こと魂」。ただ字を上手に書くのではなく、言葉の成り立ちや意味をじっくり考え、その文字に込められた想いを筆に乗せていきます。普段から書道の授業はあるものの、掛け軸に書くのは初めての体験。教室には、いつもとは違う緊張感が漂います。
練習が進むにつれて聞こえてきたのは、「もっと練習したい!」「どうやったら上手に書けるの?」という声。一枚一枚、自分の字と真剣に向き合う姿がありました。最後は掛け軸に自分で文字を書き、お家に飾れる作品が完成。言葉が持つ力を、筆先から感じ取った一日です。
井上理白先生のサイトは【こちら】


2日目 華道9月23日(水)
2日目は一転して、華道の世界へ。華道家の畑崎香美先生をお招きし、升花作りに挑戦しました。畑崎先生は、ニューヨークの日系レストランやカフェに生け花を展示するなど、この街を舞台に精力的に活動されています。
始まる前から、初めて見る升やお花に子どもたちは興味津々。「これは何のお花?」「どうやってやるの?」と、先生を囲んで質問が止まりません。
華道の始まりは、なんと600年も前にさかのぼります。季節のお花を家の中でも楽しめるように生けたのが始まりなのだそう。流派や生け方のお話を聞いたあと、いよいよ子どもたちの番です。3〜6年生は、水の中で茎を切る「水切り」にも挑戦しました。
自分の想いを文字に込めた書道に対し、華道はお花そのものの美しさを生かす芸術。同じ「道」でも向き合い方がまったく違うことに、子どもたちも気づいたのではないでしょうか。
畑崎香美先生のInstagramは【こちら】


日本から遠く離れたニューヨークだからこそ、日本の文化はかえって新鮮に映ります。異文化の中にいるからこそ見えてくる、日本の美しさや奥深さがあるはずです。
さまざまな背景を持つ子どもたちが、同じ筆を持ち、同じお花と向き合う。その経験は、日本の文化を「知る」だけでなく、その価値を自分の言葉で語れる力へとつながっていきます。
「もっと上手になりたい」と筆をとり続けた姿も、次々と質問を重ねた好奇心も、挑戦する心そのもの。自分のルーツを大切にしながら、多様性の中で世界へ羽ばたいていく。その一歩を、この秋、子どもたちは確かに踏み出しました。
ご指導くださった井上理白先生、畑崎香美先生、本当にありがとうございました。